相続における不動産や預貯金の名義変更手続き

代表弁護士 髙橋 史記 (たかはし ふみき)

遺産を相続する場合、故人名義のものは自分名義へと変更する必要があります。例えば不動産や銀行口座、ケースによっては車などの動産も名義変更の対象です。

今回は相続における名義変更手続きの概要について詳しくお伝えします。

遺産分割協議のあとは相続財産の名義変更を

遺産分割協議が終わり遺産分割協議書を作成したら、その記載事項に基づいて財産を相続することになります。しかし、この時点では受け継いだ財産を自分のものとして利用あるいは処分することができません。

不動産を売却したり預貯金の払い戻しを受けたりするためには、故人の名義を相続人の名義に変更する手続き(名義変更手続き)が必要です。名義変更を行ってはじめて相続人は相続した財産を正式に自分のものとすることができ、財産の活用や処分等を行うことが可能になります。

名義変更が必要な財産例

不動産

不動産を相続することが決まっても、お亡くなりになった方の名義のままでは自分のものとして運用や処分を行うことができません。そこで、相続登記と呼ばれる名義変更手続きを行って所有権を移転し、名実ともに相続する方の財産とする必要があります。

預貯金

金融機関は、口座名義人が亡くなったことを知ると口座を凍結します。凍結されると預金の引き出しは行えなくなるので、口座名義人を相続する方の名義に変える必要があります。

不動産の名義変更手続きについて

不動産の名義人変更手続きを「所有権移転登記」といいます。遺産分割協議に基づき不動産の分割の仕方を決めたら、以下の書類を揃えて不動産の所在地を管轄する法務局に申請します。

  • 登記申請書
  • 遺産分割協議書
  • お亡くなりになった方の除籍謄本、戸籍の附票
  • 相続する方の戸籍謄本、住民票、印鑑証明書
  • 当該不動産の固定資産税評価証明書
  • 当該不動産の権利証や登記簿謄本

相続する方にとって登記の手続きは不慣れなことが多く、また役所や法務局に出向いていくつもの証明書類を取得しなければなりません。

手間を省き間違いのない登記を申請するためには、専門家に依頼して作業を進めることが大切です。

預貯金の名義変更手続きについて

金融機関は口座名義人が亡くなったことを知ると口座は凍結(使用不可能)となります。これは相続人が決定するまでは当該口座は相続人の共有財産となるため、勝手な入出金を防ぐためです。

預貯金の引き出しや預け入れはもちろん、支払いのための引き落とし等もストップします。

凍結解除に必要な書類は遺言書の有無で変わる

口座を相続する方が決まり必要書類を揃えて提出すれば、口座は凍結解除され使えるようになりますが、遺言書があるかどうかで必要書類は変わってきます。ケース別に整理してみましょう。

遺産分割協議による相続の場合(遺言書なし)

  • 全ての相続人による署名捺印がなされた金融機関の手続書類
  • 通帳及び発行されている場合はキャッシュカード
  • 遺産分割協議書
  • 口座名義人が生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本か除籍謄本、または改製原戸籍
  • 全ての相続人の戸籍謄本と印鑑証明書

遺言書による相続の場合(遺言書あり)

  • 口座相続人による署名捺印がなされた金融機関の手続書類
  • 通帳及び発行されている場合はキャッシュカード
  • 遺言書(自筆証書遺言の場合は検認済証明書も必要)
  • 口座名義人の除籍謄本
  • 口座を相続する人の印鑑証明書

上記書類を揃えて金融機関で手続きを行うことにより、口座名義は相続される方のものになり、ようやくお金の出し入れや解約等が可能になるのです。

名義変更手続きのご相談は当事務所までお気軽に

名義変更手続きは、法務局や金融機関に出向く必要がある上、平日の昼間に行う必要があるため、会社等を休まなければいけないケースもあるでしょう。また、必要書類を揃えるだけでも意外と手間がかかるものです。

もしご自分で手続きをするのが難しい、または面倒な手続きをすべて任せてたいという場合は当事務所までご連絡ください。当事務所では、相続トラブルの相談だけでなく手続き関係についても幅広くサポートを行なっています。その場合、名義変更手続きだけでなく、その他の周辺手続きについても一括サポートが可能です。

相続の形や状態は1つ1つ異なるものですから、当事務所は画一的な対応ではなく個々のケースに沿った対応を行うようにしています。例えば財産が現金のみであればシンプルに分配することで済みますが、実際には不動産や動産などの複数財産を正しく分け合う必要があります。特に不動産の相続は専門家でなければ扱いが難しく、相続した時のメリットやデメリット、煩雑な名義変更手続きまでトータルで考えなければなりません。

こういった事柄を自力で検討し解決することは決して簡単ではありませんので、当事務所としてはぜひお早めに弁護士までご相談をいただきたいと考えています。

当事務所は登記に強い司法書士とも連携しておりますので、不動産の相続登記についてはワンストップで対応することが可能です。電話相談は初回60分無料(平日のみ)ですし、出張相談にも対応することができます。まずはお気軽に当事務所までご相談ください。

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