遺言書とは違う方法で遺産を分けることは可能?

代表弁護士 髙橋 史記 (たかはし ふみき)

故人の生前に遺言書を用意するケースは数多くありますが、もし相続人の全員が遺言書の内容に納得いかない場合、遺言内容とは違う遺産分割方法で分けることは可能なのでしょうか。

今回は遺言書の内容と違う遺産分割をしたい時の対応についてお伝えします。

遺言書とは違う遺産分割方法が認められるケース

有効な遺言書は法的な効力をもちますから、原則としてその内容に従う必要があります。仮に相続人の1人が遺言書の内容に反対したとしても、それを覆すことはできません。

ただし、相続人全員が遺言書の内容に反対しているようであれば話が変わります。

相続人全員にとって不都合を生むような遺産分割をすることは、結果的に誰にとってもメリットはありません。そのため、全員が遺言書の内容に反対なのであれば、別の方法で分割することも許されています

その場合は相続人全員で「遺産分割協議」を行って分割方法を決定することになります。

遺言書と異なる遺産分割は、遺産分割協議書を必ず作成しましょう

遺産分割協議をして話し合いがまとまったら、合意内容について記載した遺産分割協議書を作成します。

通常、遺言書が見つかった場合は、遺言書が遺産分割協議書の代わりになるため、遺産分割協議書の作成は不要です。

ですが、遺言書とは違う方法で分割するのであれば、遺産分割協議書を作成しないと、銀行口座の名義変更や相続登記ができません。

当事務所にご相談いただければ、遺産分割協議や遺産分割協議書の作成について親身になってサポートいたします。遺産分割協議書は、遺産の名義変更手続きのために、関係各所に提出することになるので、正確性がとても重要です。

当事務所はこれまで数多くの相続案件に携わってきており、遺産分割協議書の作成についても熟知しております。当事務所にご依頼いただければ、後で疑義が生じないよう、適切な遺産分割協議書を作成させていただきます。

遺言書とは違う遺産分割ができない3つのケース

このように、相続人全員の合意が得られれば、遺言書とは違う遺産分割方法も可能ですが、以下の3つのケースのいずれかに該当する場合については、例外的に遺言書の内容通りに遺産分割をしなければならないため注意が必要です。

  • 受遺者が反対した場合
  • 遺言書で遺産分割協議を禁止している場合
  • 遺言執行者の同意が得られない場合

1.受遺者が反対した場合

遺言書が残されている場合、遺産が分け与えられるのは、必ずしも相続人だけとは限りません。中には、相続人以外の親族や友人知人、内縁の妻(夫)に一定の財産を取得させる内容が書かれていることもあるのです。

このように遺言書によって財産を相続人以外の人に取得させることを「遺贈」といい、遺贈を受ける人のことを「受遺者」といいます。

遺言書で遺贈がされている場合については、法定相続人全員の同意だけでなく、受遺者からも同意を取り付ける必要があるため注意が必要です。

ただ、受遺者については遺言書が執行されなければ遺産が取得できないため、多くの場合遺言書とは違う遺産分割には反対するでしょう。

このようなケースで遺産分割協議を行いたい場合については、紛争を防止するためにも、当事務所まで一度ご相談ください。

2.遺言書で遺産分割協議を禁止している場合

見つかった遺言書の内容の中に、「遺産分割協議を禁止」する旨の記載があった場合については、遺産分割協議ができないため、遺言書通りに遺産分割するしかありません。そのため、遺言書と違う分け方を希望する場合については、見つかった遺言書をよく読んで、遺産分割協議を禁止していないかどうか、正確に確認する必要があります。

当事務所にご相談いただければ、見つかった遺言書の検認手続きから内容のチェック、そして執行までワンストップでスムーズにサポートいたします。

3.遺言執行者の同意が得られない場合

遺言執行者とは、遺言書の内容通りに遺産分割をする権限を与えられた人のことで、通常は遺言書の中で指定されます。

遺言執行者は必ず選任が必要なわけではないため、特に記載がなければ、相続人が協力しあって進めていくことになりますが、指定されている場合については、遺言執行者が遺産分割の責任者的な立場となるのです。

そのため、たとえ相続人全員が遺言書に反対したとしても、遺言執行者はその権限に基づいて遺言書の内容を実現するために必要なことを行うことができます。ただし、遺言執行者からも同意が得られれば、遺言書を無視して遺産分割協議によって分割することも可能です。

どうしても遺言書とは違う分け方をしたい場合はどうする?

上記3つのケースに当てはまるものの、どうしても遺言書とは違う遺産分割をしたい場合については、一旦遺言書通りに執行して相続手続きを終えた後で、相続人双方が合意の上で、相続した遺産から贈与によって分けるしかありません。

ただ、ケースによっては贈与税の問題も生じるため、相続後に相続人間で調整を図ろうとお考えの場合については、事前に当事務所までご相談いただくことをおすすめします。

当事務所は事務所内に税理士も在籍しておりますので、相続税や贈与税など税金関係のメリット、デメリットも踏まえてアドバイスさせていただきます。

当事務所がベストな解決策をご提案いたします

遺産相続の問題は、その瞬間だけの解決が重要なのではなく、今後の人間関係も含めてどのような分割方法がベストなのかを慎重に考えることが何より大切です。

当事務所は、ご依頼者様のご希望をじっくりお伺いした上で、「トータルの利益」を考えて率直にアドバイスさせていただきます。

初回相談料は60分無料(平日のみ)ですので、まずはお気軽にご相談ください。

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